アメリカの大統領が変わる時何が起きるか?
アメリカ合衆国の大統領選挙が終わりました。

バイデン元副大統領の勝利で、新大統領になることが決まりました。
大統領が変わると、私達にも関係するGAFAの動きはどうなるのでしょうか?
次期大統領のITテクノロジーの考え方
ジョー・バイデン次期大統領は、大統領選挙の期間中にITテクノロジーに関する自分の考えを述べています。
それは、「比較的静かな姿勢」と言われています。
静かな姿勢・・・・ナニソレ?
意味がわかりませんね。
トランプ大統領は、Twitterでガンガン自分の意見を発信しまくってて、最後には黙り込みました。
2020年1月、ニューヨーク・タイムズ紙編集委員とのインタビューでは、バイデン大統領候補は、通信品位法第230条の廃止を望んでいると言っています。
これは、シリコンバレーと仲良くなった「オバマ政権とオレは違うよ」ということなんですね。
これは、何を意味しているかと言いますと、テック企業の重役らは「嫌い」ということらしいです。
彼らのことを「少し気味の悪い人間」と呼んだり、「あまりにも傲慢な態度を取っている」と言っていますから。
要は気に入らないわけです。
でもですね、今回の大統領選でバイデンに献金した団体の上位10社は、多くのインターネット企業が含まれているんです。
そして、選挙事務所には、ハイテクITテクノロジー業界の関係者がたくさん働いていました。
また、次期副大統領に指名されたカマラ・ハリスは、サンフランシスコ市の地方検事を務めていました。
と言うことは、シリコンバレーの企業や業界の人達とは長い付き合いがあるんです。
結局ITテクノロジーを「無視することはできない」のです。
当たり前と言えば当たり前ですね。
実際の所は
ここで、オバマ大統領時代で米国連邦通信委員会(FCC)委員長を務めたトム・ウィーラーの相談役、ジジ・ソーンが同じようなことを言っています。
バイデンにとって、「ITなどのテクノロジー分野はあまり興味が無い」そうです。
ただし、これから必要なブロードバンド接続、気候政策、新型コロナウイルス対策は、優先事項と思っているとも言っています。
ジジ・ソーンは、バイデンは政権を握った最初は、その他の重要な問題も引き継いでそれらを解決していくはずであり、そうすべきだと言っています。
これは国民にとって当たり前ですよね。
急に方向転換して、生活もIT事業も何もかも急展開されたら、国民はたまったものではないですから。
それを優雅独尊で実行したのが、トランプ大統領ですよね。
インターネットの重要性
インターネットの悪い点について語ることはできますが、それでもインターネットは必要な時代ですよね。
ほとんどのアメリカ国民が安いブロードバンドにアクセスできるようにしていくことの方が、インターネットを規制することよりも重要と皆が思っています。
今ではインターネットは、国民にとって生きるため、働くため、学ぶため、医師の診察を受けるために必要なものになっていますからね。
11月8日朝、最初のITネットワーク局がジョー・バイデンの当選確実を報じてから24時間も経過しないうちに、バイデン次期大統領の課題を詳細に示したWebサイトを公開しました。
そこで示された優先課題は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、景気回復、人種平等、気候変動の4つでした。
ITテクノロジーについては簡単に紹介されただけでした。
その紹介の中でも巨大ITテック企業の規制ではなく、ブロードバンド・インターネットの拡大に絞られていました。
それでは、バイデン政権になったらテック関連の規制はどうなるのでしょうか?
まだわかりませんが、注目される点はいくつかあるようです。
グーグルに対する訴訟は続いています。
10月下旬、司法省がグーグルに対し、反トラスト法違反を理由に訴訟を起こしました。
反トラスト法とは、日本の独占禁止法のことです。
専門家の間ではこの訴訟自体の効果について意見が割れていますが、バイデンが政権を取っても訴訟は続くだろうということでは意見が一致しています。
専門家とは、法律に詳しい人達のことだと思います。
一部では、その動きが強化されるのではないかという意見も出始めています。
特に、ニューヨークや複数の州が独自に訴訟を起こすことも予想されていて、これが司法省の動きと連携する可能性があると見られているようです。
さらに、ワシントンDCに拠点を置く公益団体であるパブリック・ナレッジ(Public Knowledge)のシャーロット・スレイマン競争政策部長によると、バイデン政権には「この訴えを修正する力がある」と言っています。
スレイマンは続けて言います。
「実際のところ、グーグルには競争に関してより多くの懸念があり、そうしたことがより広範囲に渡る訴えに含まれる可能性がある。」
グーグルは、競争に関して不公平感があるというのでしょう。
非営利組織であるインターネット・ソサエティ(Internet Society)の社長兼最高経営責任者(CEO)であるアンドリュー・サリヴァンは、バイデン政権が成立することで、「インターネットの直接的な運営に対する干渉が減る」ことを「期待しています」と話しています。
もっともサリヴァンCEOは、反トラスト法を否定しているわけではないようです。(経営者なら当然ですが・・・)
「巨大テック企業の分割を望んでいる民主党支持者も多いため、政策の大きな変更はないかもしれません」と付け加えた、と言っていますが、そもそも経営者がアメリカの法律を守るのは当然のことですし、それに反対意見は言えませんよね。
当たり前のことを言ってるというkとですね。
セクション230に関する議論の焦点の絞り直し
バイデンは、インターネット企業が、ホストしているコンテンツに関する法的責任を免除されることを認める通信品位法第230条、いわゆるセクション230の廃止を主張してきました。
セクション320についてはこちら。↓

ソーン曰く、実際のバイデンの立場はもっと微妙なもので、セクション230は今後も議論の対象になっていくでしょう。
しかし、一方で規制当局はトランプ政権下で提案されたような強制的な動きは見せないはずだと言っています。
この辺は甘い評価ではないでしょうか。
ソースは続けます。
「FCCが法律を解釈すべきだと考えるリーダーなどいるはずがないのは確かだ。法律を修正するのは議会であり、その解釈をするのは裁判所だ」と言っています。
何かよくわかりませんが、法律に基づいた行動が求められているということでしょう。
これは、アメリカが自由競争であり、民主国家であるということの表れですね。
ソーンは更に言っています。「バイデン政権はこの議論の焦点を絞り直すはずだ」
ソーシャルメディア企業には、反保守のバイアスが掛かっているという共和党主導の批判的主張(これに関しては証拠が無いと言われています。)に後押しされるのではなく、いかに「これらの企業が巨大で、力を持ちすぎているか」という方向に議論はシフトしていくだろうと。
このことは、バイデン陣営の副報道官を務めるビル・ルッソの一連のツイートにも反映されています。
ルッソは、フェイスブックがデマに対処できていないことで、「私たちの民主主義の枠組みが破壊されている」と言っています。
色んなところで、GAFAについて事象が発生していますが、いずれにしろ当分は4巨大企業はネットワークを支配するでしょうね。
異なる優先順位
非営利組織のプログレッシブ政策協会(Progressive Policy Institute)の技術ディレクター、アレック・スタップは、共和党が上院で多数派を維持、あるいは民主党が多数派を握ってもその差がごくわずかでった場合、「テック企業の反トラスト法は優先順位がかなり低くなる」と言っています。
特に、新型コロナウイルス対策と、景気刺激策の策定が最優先課題になる見込みだという。
↑そんなの当たり前ですよね。
誰でもわかります。
新型コロナを克服しないと経済は沈んでいくだけですから。
今夏、下院民主党はアップル、アマゾン、フェイスブック、グーグルの独占的な行為に関する449ページに渡る報告書を公開しています。
パブリック・ナレッジのスレイマンは、これを「非常に大きなこと」であるとし、今後なんらかの法案が提出される可能性を暗示しているのではないかという。
公益団体であるファイト・フォー・ザ・フューチャー(Fight for the Future)の副政策部長を務めるエヴァン・グリアは、すでに「巨大テック企業の横暴に対する怒りや不安は一般に広まっている」が、「問題を根本から解決する」ためにはさらなる政策が必要だという。
それには、独占企業の解体のみならず、「有害な監視による資本主義的ビジネスモデルの禁止」も必要だとグリアは言う。
ソーンをはじめとする一部の専門家によると、全国的な消費者プライバシー及びデータ保護法によってこれを実現できるだろうと楽観的です。
それが近いものとしては、最近の州選挙で拡大された、カリフォルニア州の消費者保護法があります。
「巨大テック企業がこれほど大きな力を持っている理由の一つは、彼らが私達のあらゆるデータにアクセスできることです。」とソーンは言っています。
データへのアクセスを制限することで、テック企業の力を効果的に抑え込むことができるため、自分ならその点をテック規制の最優先事項に据えると説明しています。
実際、このアクセス制御については既に議論されているようです。
バイデンも再びITテック業界と密接な関係に?
オバマ政権は、シリコンバレーと馴れ合いの関係にあったことで悪評を得てしまいました。
バイデンの選挙活動においても、同じような関係が彼の勝利に一役買ったことが示唆されています。
2019年4月、ケーブルテレビ事業者のコムキャスト(Comcast)の上級副社長であるデヴィッド・コーエンが主催する寄付金調達イベントで、バイデン次期大統領は大統領選への立候補を表明しました。
選挙活動における財務情報を追跡するレスポンシブ・ポリティクス・センター(Center for Responsive Politics)のデータによると、バイデン次期大統領はインターネット企業から2500万ドル以上の献金を受けています。
また、多くのシリコンバレー関係者がバイデン陣営に参加しています。
元アップルの政府担当幹部であるシンシア・C・ホーガンもその1人で、副大統領選定委員会の4人の共同議長のうちの1人でした。
こうした政治献金や個人の動きが、巨大ITテック企業に対するバイデン政権のアプローチにどう影響するのかについては今のところ推測の域を出ません。
しかし、政治とシリコンバレーの関係については十分な裏付けがなされています。
産業界と政府の間の動きを追跡する非営利団体であるリボルビング・ドア・プロジェクト(Revolving Door Project)は、グーグルだけで55人の社員がオバマ政権で影響力のある立場を担い、政権終了後、同政権の関係者197人がグーグルに入社したと指摘しています。
政治にはお金がかかります。
これは、アメリカに限ったことではありません。
今、アメリカの経済を引っ張っているのは、事実としてGAFAと呼ばれるITテック企業の4社です。
この構造は、大統領が変わっても当分変わらないと言えるのではないでしょうか。
今後のITテックの動向により、日本のアフィリエイターにも影響は出てくるでしょうね。
洋一郎でした。
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